競泳水着の種類

競泳水着のスタイル

競泳用水着は、大会出場を目指すスイマーのための水着です。速く泳ぐことを目的として、さまざまタイプ、素材、機能があります。公式大会に出場するためには、FINA(国際水泳連盟)に承認された水着を着用しなければなりません。FINAに承認された水着には、下記のようなラベルが水着のヒップ部分に付いています。このラベルははがすことはできません。

以前は全身を覆うようなスタイルもありましたが、現在はルールによる制限があり、主なスタイルは以下の通りです。中でも、男子はハーフスパッツ、女子はハーフスーツが近年の主流です。

スイマーのタイプ別

試合用(トップスイマー向け)

0.01秒でも速く泳ぐために、最先端の技術や機能が施されている水着です。通常の競泳水着以上に、しっかりとカラダをホールドし、泳ぎをサポートします。着こなすには、ある程度の経験が必要で、全国大会を目指すレベルのスイマーが対象です。


試合用

より幅広いスイマーの試合用として設計された水着です。動きやすさ、軽量性、適度なサポート性、撥水性などの機能が施されています。


一般競泳用

スタンダードな競泳用水着です。無地だけでなく、様々な柄の水着もラインナップされています。


マスターズ向け

幅広い年齢の方が着用しやすいスタイルの競泳用水着です。背開きが小さい(もしくは空いていない)、ローカット、パットフック受けが付いている、生地がしっかりしているなど、幅広い年齢の方が着用しやすい工夫が施された水着です。


練習用

競泳選手の練習用として開発された水着です。水着の劣化の原因であるポリウレタンを使わずに、ポリエステル100%の素材を使用することで、長持ちします。一般的にはポリエステル100%だと、ストレッチ性が劣るのですが、近年ではポリエステル100%でありながら、伸びがいい素材が開発されています。楽しく個性的な柄、ローカットや肩ヒモタイプなどのスタイルがバリエーション豊富なのも、練習用水着の特徴です。

競泳水着の機能や特徴

競泳水着には速く泳ぐための様々な機能や特長があります。競泳水着の中から、主なものを紹介します。

撥水加工 生地表面に撥水加工を施すことで、水を含んで重くなることを抑制し、水中での軽量感が向上します。
軽量生地 従来のニット素材に比べて、布帛素材は軽量です。
プレス加工 特殊プレス加工で生地表面を平滑にし、水の抵抗を削減します。
耐塩素性 塩素に対する耐久性の高いポリウレタン糸を使用し、水着が長持ちします。
ストレッチ性 より伸長性が高い素材で、動きやすさと着やすさが向上します。
動きやすさ 動作時の皮膚の伸縮にあわせたカッティングを採用することで、フィット感を高め、「競泳時の動きやすさ」が向上します。
透け防止 透けにくい特殊セラミックが含まれているので、淡色の水着でも大丈夫。赤外線透過撮影にも防止効果を発揮します。
ホールド機能 布帛素材による適度な締め付けで、形状抵抗を削減します。
超音波接着 生地のつなぎ目を縫製するのではなく、超音波接着することにより、つなぎ目が平らになります。
カップフック受け 別売りの胸カップを取り付けるためのフックです。

ニット素材と布帛素材

トップスイマー向け水着には、布帛と呼ばれる素材が使われているものがあります。布帛素材は織物組織で作られたものです。

布帛素材 <織物(おりもの)>
タテ糸とヨコ糸を直角に配列し、上下に交差させて平面の形にしたものです。
ニット素材 <編物(あみもの)>
織物に対して編物は、多くの水着で採り入れられています。糸でループを作りそのループにまた糸をくぐらせてループを作ることを繰り返します。 織物は糸が直線的に配列されているのに対し、編物はループで形成されているので、織物に比べると伸びが大きく、柔軟で身体によくフィットします。

着用方法

トップスイマー向け水着で使われている布帛素材の場合、伸びにくいため、着用が困難です。ここでは着用方法について解説しています。